CS向上のためにできることとは?メリットと成功事例を紹介2023.10.10

店舗や企業にとってCS(顧客満足度)の向上は、運営するうえでとくに重要な部分といっても過言ではありません。その一方で、顧客満足度の高さが重要なことだと理解しているものの、具体的な施策やメリットがわからないケースも考えられます。

この記事では、CS向上のメリットや具体的な方法、実際の成功事例について解説します。顧客満足度をよりよくするための施策に興味がある方や、売上アップを狙いたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

CS向上について

CS向上について解説を進める前に、まずはCSについておおまかに紹介します。

CSとは

CSとは顧客満足度(Customer Satisfaction)の略で、サービスや商品に対し、顧客がどれくらい満足しているかを数値化したものです。

通常、顧客満足度を測る際は、顧客のアンケート調査やフィードバックの収集、顧客対応の質やクレーム対応などにより、数値が測定されます。これらは、サービスや商品の品質向上のための貴重な情報源となります。

また、ソーシャルメディアやオンラインレビューサイトの評判も考慮される場合があり、企業や店舗により方法はさまざまです。

顧客満足度が高いほど、商品やサービスに対しての満足だけでなく、継続的な商品購入やサービスに対してのファンが増えていきます。そのため、いかに顧客の心理や感情を理解して満足度を上げているかが、店舗運営の成功のカギといえるでしょう。

CS向上とは

CS向上とは、顧客満足度を上げることを意味し、商品を購入したりサービスを利用したりした場合の顧客からの評価を上げることを指します。

顧客満足度は、たくさんの数を測ることも重要です。しかし、顧客満足度を測った後にどれだけ顧客目線で分析して改善できたかが、CS向上を目指すうえでもっとも重要なことだといえます。

たとえば飲食店であれば、顧客満足度の調査で評価が低かったメニューを廃止し、評価の高かったメニューをアピールすることや、顧客アンケートに基づいたメニューを考案して取り入れてみることで、CS向上につながる可能性があります。

そのため顧客満足度は、店舗の売上に直結する顧客の重要なデータです。CSの向上は、売上アップを目指すためには欠かせません。

CS向上に取り組むメリット

実際にCS向上に取り組んだ場合、考えられるメリットは以下の4つがあります。

リピーターが増える
口コミから新規顧客が増加する
店舗のイメージや印象がよくなる
収益が安定しやすくなる

それぞれ解説していきます。

リピーターが増える

顧客満足度が高いほど、店舗を利用するリピーターが増加しやすくなります。よい商品やサービスを提供しているほど、購入者や利用者はファンになりやすく、「また利用したい」と感じるものです。

単発での利用とリピートでの利用では、もちろんリピート利用の方が売上に期待が持てます。長期的にサービスを利用し続ける顧客が多いほど、1日あたりの売上の高さだけではなく、安定した売上の確保がしやすくなります。

加えて、顧客が競合他社などに移りにくくなり、有利性を獲得しやすくなるメリットもあります。

また、CS向上により、今まで利用していなかった方が顧客となり、リピートする場合も考えられるでしょう。より売上アップが見込めるだけでなく、他社の顧客から自社のリピート顧客へつなげられる可能性もあり得ます。

口コミから新規顧客が増加する

CS向上によって、口コミから新規顧客が増加しやすくなります。口コミは、商品やサービスに対して、利用者がオンライン上で評価をすることですが、よい評価だけ載るわけではありません。顧客満足度が低い場合は、低評価の口コミが増えてしまいます。

一方で、顧客満足度が高い場合は、全体的によい評価が多くなる傾向があります。そのため、相対的によい口コミが広がり、そこから新規顧客の獲得につながります。

最近では、あらゆるソーシャルメディアの利用者が増えたことにより、口コミの影響力で新規顧客の獲得につながることも増えました。また、口コミによる効果やよい評判は、広告を必要としません。そのため、CS向上は広告費を余計にかけずに行える施策といえます。

店舗のイメージや印象がよくなる

顧客満足度が高いと、店舗や企業のイメージや印象がよくなります。CS向上によりリピーターが増えると先述しましたが、リピーターが多いほど「安心できる商品がある」や「安全なサービスを提供している」などの好印象なイメージを持たれやすくなります。

よいイメージが浸透していくことにより、新たな顧客が徐々に増加していき、結果的に売上アップやさらなる評判の良化に期待ができます。

よい評判が多い状態が継続できれば、広告にお金をかけなくてもリピーターが評判を拡散してくれるため、イメージのよさを保つだけでなく、広告費の削減にもつながるでしょう。

収益が安定しやすくなる

顧客満足度が高くなるほど、リピーターが増えて、収益が安定しやすくなります。利用者が新規顧客ばかりの場合では、タイミングによって収益に波が出てしまい、安定性がありません。

一方でリピーターの数が多いほど、定期的な購入やサービス利用の頻度が高まるため、収益のばらつきが出づらく、結果的に収益の安定につながります。

また、継続的なサービス提供と組み合わせるのも効果的です。飲食店の場合であれば、お弁当のサブスクリプションやお惣菜の定期購入など、定額制のサービスとの組み合わせもよいでしょう。リピーターとの相乗効果で、より確実に収益を生み出しやすくなります。

CS向上するためにするべきこと

ここまでCS向上のメリットについて紹介しましたが、実際に、どのようにして施策を行えばよいのでしょうか。CS向上するためにするべきことは、主に次の3つです。

アンケートなどを使いCSを調査する
接客教育を徹底する
研修を受ける

それぞれ順番に解説していきます。

アンケートなどを使いCSを調査する

CS向上をするために行う施策として、アンケートの実施が挙げられます。主に、数値としてデータを求める場合や、手軽にたくさんのデータを集めたい場合に利用される方法です。

アンケートを取る際は、インターネット上・店頭はがき・郵送など、さまざまな手段が利用できます。

現在では、インターネット上で行われるアンケートが主流になっており、コストをかけずに多くのデータを集められる特徴があります。一方で、信憑性に欠ける部分や、偏りが出やすい点が懸念されているのも実情です。

店頭はがきは、低コストで意欲の高い方の回答が得られやすい点があります。ただ、データが集まるまでに時間がかかり、求めている数に満たない可能性があります。

郵送は、顧客リストより広範囲でアンケート調査を行える方法で、信憑性の高い回答を得やすいのが魅力です。しかし、店頭はがき同様、すぐに多くの意見を集めることには不向きな側面を持ちます。

なるべく早くデータを得たい場合はインターネットで、多少時間がかかっても信憑性のある回答を得たい場合は店頭はがきや郵送を選ぶとよいでしょう。

接客教育を徹底する

CS向上の方法のひとつに、接客教育を徹底することが挙げられます。顧客が満足する場面として、商品に満足する場合とサービスに満足する場合の2種類があります。

飲食店でたとえると、商品に満足する場合は「料理がおいしかった」や「カクテルがおいしかった」など、提供する商品に満足している場面です。

一方で、サービスに満足する場合は「熱々のまま素早く料理を提供してくれた」や「終始笑顔で接客してくれた」などが当てはまります。

しかし、商品がどれだけよかったとしてもサービスに満足できない場合、顧客満足度が上がるとは言いきれません。そのため、従業員の接客のスキルアップのほか、接客の質を落とさないように、業務の負荷がかかりすぎていないかを見直す必要があります。

研修を受ける

CS向上の方法として、研修を受けることが挙げられます。従業員の教育を行い、業務内容の質を高めることで、顧客満足度の向上につながるでしょう。

一方、業務の質が悪いままだと顧客に不満が生まれやすくなり、結果的に顧客満足度を下げる原因になってしまいます。従業員研修の内容としては、以下の方法が挙げられます。

ビジネスマナーを教える
接客の仕方を教える
外部の研修サービスを利用する

基本的な部分がきちんとできていれば、顧客の不満は生まれにくくなります。CS向上を求める場合は、一度研修について改めてみるとよいでしょう。

クリエイティブアルファでは、小売・飲食・サービス業の企業様向けに研修やサービスを行っております。外部研修を検討中でしたら、ぜひご連絡ください。

CS向上に成功した事例

ここでは、CS向上に成功した事例として、有名な2つの企業である高級車メーカーとコーヒー専門店が行ったことを紹介します。

高級車メーカー

高級車メーカーとして、世界的に有名な企業であるメルセデス・ベンツは、過去にライバル社との競争によって、売上の伸び悩みを抱えていた時期がありました。メルセデンス・ベンツは、顧客満足度にかかわる部分を指標の中心に考え、経営を一新することを決めます。

具体的な取り組みとして、価格交渉を行う時間を15分以内に収めるという、今までにないルールを定めた結果、顧客から好評を得るようになりました。価格交渉の際、間延びせずにすぐ値引きがされることで、顧客のストレスは軽減され、後に評判につながったのです。

コーヒー専門店

今や日本でもおなじみのコーヒー専門店・スターバックスは、全世界で34,000店舗以上を構えます。スターバックスには「グリーンエプロンブック」と呼ばれるサービスのビジョンがあり、共有するビジョンは以下の5つです。

歓迎する
心を込めて
豊富な知識を蓄える
思いやりを持つ
参加する

上記の内容は、直接的なサービスについてではなく、あくまでサービスのビジョンです。この考えを現場のレベルに落とし込み、CS向上につなげています。

CS向上へのプロセスとして、部下への十分な指導は欠かせません。こちらの記事では、部下指導において大切なポイントや、部下のタイプ別の指導方法を紹介しています。

まとめ

CS向上のためにできることについて、メリットや成功事例などを絡めながら紹介していきました。顧客満足度は、店舗運営をするうえでとくに重要な部分といえます。

実際にCS向上を行った場合に見込まれるメリットは「リピーターが増える」「口コミから新規顧客が増加する」「店舗のイメージや印象がよくなる」「収益が安定しやすくなる」などが挙げられます。

CS向上を行うためにすることは「アンケートなどを使いCSを調査する」「接客教育を徹底する」「研修を受ける」がありました。この記事を読んで、CS向上の第一歩が踏み出せましたら幸いです。

クリエイティブアルファでは、小売・飲食・サービス業の企業様やショッピングモールのテナント様向けに、研修・サービスを提供しております。CS向上にお悩みでしたら、ぜひ弊社にお力添えをさせてください。