部下指導で大切なこととは?タイプ別の指導方法を解説2023.09.27

部下の指導や育成を任されたものの、方法がわからない、と悩んでいる上司は多いのではないでしょうか。部下といってもそれぞれに個性があり、すべて同じ指導では一人前に育てられません。

部下指導においては、大切なポイントを押さえつつ、上司も常に学んでいく姿勢が重要です。教えられる側は、思っている以上に教えてくれる人を見ています。よい手本となるよう、上司も向上心や学習意欲を持つようにしましょう。

部下指導で大切なこと

部下指導は、部下と対等に向き合い、感情のままに指導しないことが大切です。やり方を押し付けたり、考える機会を奪ったりしては、部下の自主性を育てられません。上司は部下が成長できるよう、6つの大切なことを意識して指導しましょう。

自分の価値観を押し付けないようにする

部下を指導するうえで間違った方法のひとつに、自分の価値観を押し付けてしまうことが挙げられます。

部下の意思を尊重せずに、自分の思い通りに動かそうとする指導では、ついてきてくれる部下はいません。しかしこれは、部下指導で一番無意識にしてしまいがちな方法です。

一見親切に伝えているつもりでも、実際は自分のやり方や考え方を押し付けているケースも少なくありません。アドバイスをするだけでなく、そこからどう考えて動くかという機会を部下に与えることが大切です。

その際は、部下を一個人として指導するように心がけるとよいでしょう。ひとりの人間として見ることで、部下自身の考える力も伸ばせます。考える力が養ってくれば、部下の強みとなる部分も理解しやすくなり、さらに効果的なアドバイスもできるようになるでしょう。

部下の話にしっかり耳を傾ける

部下の話には、しっかりと耳を傾けてあげてください。そのためには、部下が自ら考える機会が必要です。部下の考える機会を奪ってしまうのは、指導方法として誤りといえます。

まだ部下が仕事に慣れないうちは、部下が作業をすると時間がかかるかもしれません。しかし、上司がやってしまっては、いつまで経っても成長できなくなります。部下が自分で考えて動くことで、自然と疑問などが出てきて、考える力を伸ばせるようになるでしょう。

部下に任せたことで、ミスが起きる可能性もゼロではありません。仮に、ミスがあったとしても注意するだけでは、そもそも何が問題でミスを起こしたのか理解できなくなってしまいます。まずは、部下の話を聞いて、ミスの経緯や背景を確認してください。

このタイミングで話に耳を傾けるようにすると、部下も緊張や不安がほぐれて話しやすくなるでしょう。結果として本質的な原因が分かり、適切な指導や今後の対策も行えます。また、部下が話しやすくなるように、日頃から対等な関係を築いておくことも大切です。

飴と鞭を上手に使いこなす

部下指導では、飴と鞭を上手に使いこなすようにしましょう。部下を成長させるためには、飴しか使わない、鞭しか使わないといった極端な指導ではなく、どちらもバランスよく使いこなさなければなりません。

部下に間違いがあった場合には注意して指導をしますが、褒めることができていない上司は意外にも多いといえます。誰かを褒めることは意外と難しく、普段から部下をしっかりと見ていなければ、忘れがちになりやすいものです。

飴を使いこなすためには、部下のさまざまな部分を見てあげるようにしましょう。些細なことでも部下にとってはうれしくなり、頑張ろうとモチベーションが上がるきっかけになります。

部下の自信にもつながるので、飴を使う場面では積極的に褒めてあげてください。その際は、具体的に伝えてあげると、自分のことをきちんと見てくれていると部下も感じ取れるでしょう。

信頼関係を築く

信頼関係を築くこともまた、部下を指導する際には非常に重要です。ただし、立場が下である部下からは、何かを発言したり、意見を述べたりすることは難しくなります。上司と部下という立場では、上司側が意識しなければ、よい信頼関係を築くことはできません。

立場の違いを理解し、部下へ歩み寄る姿勢が必要不可欠です。上司に威圧感があったり、立場を利用して上から目線で指導したりすると、指導を受ける側は辛くなってしまいます。指導する際には、態度や言葉遣いに十分注意してください。

まずは、部下が話しやすい雰囲気作りが重要です。常に部下の話を聞く姿勢を忘れずに、意見を尊重しながらアドバイスやサポートを心がけましょう。

結果だけでなくプロセスも評価する

部下の評価は結果だけでなく、それまでのプロセスを含めて評価してあげましょう。結果のみを注視する上司のもとでは、失敗を恐れる部下しか育たない可能性があります。また、どのようなことにも挑戦したいという意欲を削いでしまうことにもなりかねません。

結果だけでなくプロセスも見てくれていると分かれば、部下の挑戦の幅が広がります。成長するうえで、責任ある仕事や新しい仕事に挑戦することは非常に重要です。上司は、部下の力を試せる場を設け、何かあったときは手を差し伸べるよう、サポート役になりましょう。

失敗しても責任は上司が持ち、ときには部下に思いっきりやらせるといった大きな心構えが必要です。環境が整っていれば、部下自身も納得するプロセスを踏めるでしょう。

部下の性格を把握する

部下一人ひとりの性格を把握することは、指導するうえで大切な要素のひとつです。自主性を促す指導をするには、それぞれの考え方や性格をよく見極めなければなりません。そのためには、しっかりとコミュニケーションをとることが重要です。

合間のちょっとした会話やアドバイスを受ける姿勢で、人となりを知るきっかけとなります。積極性がある、控えめで消極的など、部下の性格を把握すると、指導方法も異なってくるでしょう。性格を把握できるように、上司は常に部下を観察する心構えが重要です。

タイプ別に見る部下の指導方法

部下への指導を適切に行うためには、それぞれの性格や特性といった個々のタイプを見極めなければなりません。

相手をしっかりと観察し、どのような強みを持っており、個性をどうやって活かすのかを考えることも部下指導のひとつです。部下のタイプは、主に以下の5つに分けられます。

批判的なタイプの場合

会話のなかで、毎回否定的に捉えて意見を述べる人は、批判的なタイプといえます。職場で何か問題が発生した際、すぐさま何かを批判する人は、このタイプといえるでしょう。逆にいえば、正義感が強いタイプでもあります。

批判的なタイプの部下を自主的に動かすためには、部下の意見や話にしっかりと耳を傾けてください。基本的に自分の考えを主張したい思いが強いため、最初から否定してしまうのは避けましょう。

まずは、徹底的に話を聞くことが最も効果的です。話に耳を傾け、部下の考えを受け止めれば、自分自身で考えをめぐらせ、能動的な行動につながるでしょう。

協調的なタイプの場合

常に周りに気を配り、他人のために動ける人は、協調的なタイプといえます。人の世話をしたり、頼りにされたりすることに喜びを感じる性格です。優しいあまり、他人と競争するのを避ける傾向にあるため、目標に向かってがむしゃらに頑張るのは苦手です。

周りに合わせて自分の意見を述べないなど、自分自身を出すことを好みません。そのため、コミュニケーションのなかで、どうしたいのかを聞いてあげてください。協調的なタイプの部下には、意見を引き出してあげるのが一番有効な指導です。

また、協調性や他人への優しさを褒めてあげるのも忘れないようにしましょう。どんな時でも相手を受け入れようとする態度は、誰でもできるものではありません。

協調的タイプのよいところは伸ばしつつ、自分を出してアピールするのは大事なのだという指導が重要です。

客観的なタイプの場合

自分だけでなく、他人の立場でも物事を考えられる広い視野がある人は、客観的なタイプといえます。冷静に物事を判断できるため、テキパキと仕事をこなす人に多いのが客観的タイプです。

その反面、周囲から冷たいイメージを持たれやすく、やる気がないように感じられることも多くあります。

しかし実際には、高い生産性の維持に注力できるモチベーションを持っているともいえるため、このようなタイプに、やる気や情熱を見せろといった指導はタブーです。まずは、仕事ができる点を認め、信頼していることをしっかりと伝えましょう。

客観的タイプは、合理的に行動できるあまり、他人の状況や感情が見えなくなってしまう場面があります。このような場面に出くわした際は、周りの意見や状況確認する大切さを指導しましょう。

自己抑制が強いタイプの場合

自分の考えや意見を言わず、常に気持ちを抑えている人は、自己抑制が強いタイプといえます。常に相手の期待に応えなければと思っているため、嫌なことでも断れない性格です。

日頃から強いストレスを溜めがちで、突然気持ちが爆発してしまう可能性も少なくありません。一方で、考えや行動を周りに合わせられる性格のため、状況を静かに受け止め、確実に仕事を成し遂げられる特徴も持っています。

自己抑制が強いタイプには、自身の思いや考えを言える環境作りが重要です。仕事以外の話でも聞いてあげるだけで、蓄積していたストレスが発散されるでしょう。

上司の歩み寄りは、自分に配慮してくれたと感じられるため、感情のコントロールの助力となり、よい方向へとつながります。普段からさりげなく声をかけて、無理をしていないか気にかけてあげましょう。

ムードメーカータイプの場合

ムードメーカータイプは、明るい性格で周囲を巻き込む力がある人です。創造性に優れている反面、感情的な部分も持ち合わせており、自分の思うままに行動する傾向があります。

周りを楽しくさせてくれる天真爛漫さはありますが、度を越して軽はずみな行動をとりがちです。優秀な人材は多いですが、ケアレスミスなどが多い特徴もあります。

仕事の抜けや方向性の間違いがあれば、しっかりと注意しなければなりません。ムード作りに関して常に感謝の気持ちを伝えつつ、仕事のミスをなくすように、適宜作業の確認をしましょう。

部下の指導以外にも、中間管理職に求められる能力は多岐にわたります。こちらの記事では、店長や店長補佐が知っておくべき中間管理職の役割や、成功する管理者タイプについて解説しています。

まとめ

部下の強みを活かして成長を促すためには、上司による適切な指導が欠かせません。部下指導は、組織の発展には欠かせない重要なものです。上司自身も学びの姿勢を忘れずに、指導にあたることが重要といえます。

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