クレーム対応のコツとは?自社に非がない場合の上手な対処法2024.11.27

自社に非がないと感じているクレームにどう対応すればいいのか、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。顧客の気持ちを尊重し、関係を損なわないようにするためには、冷静な対処が必要です。

この記事では、顧客との関係を悪化させずにクレーム対応する方法について解説します。穏便に対応できるコツについても解説していますので、クレーム対応に困っている方はぜひ参考にしてください。

自社に非がない場合のクレーム対応の基本

お客さまから不満の声をいただいた際、自社に非がないケースの対応について基本となる方法を6つに分けて解説します。

クレームや相手の言い分をしっかりと聞く

 

まずは、 相手の意見に真摯に耳を傾け、気持ちを深く理解するように努めましょう。焦って対応しようとすると、逆に事態を悪化させる可能性があります。そのため、相手の感情に寄り添い、冷静に対応するようにしましょう。

また、相手の話を遮ることなく、最後まできちんと聞くことも求められます。一つひとつ丁寧に確認しながら、最適な解決策を導き出しましょう。

相手の不快感や不満に対して共感を示して理解を示す

相手の言い分をしっかりと聞いたら、相手が抱いている不快感や不満について共感していることを伝えましょう。 「おっしゃりたいことは、〇〇ということですね?」など、話を的確にまとめて伝えることで、共感を表すことが可能です。

不平や不満を言う人は文句を言いたいだけでなく、心の中の不満などを誰かに聞いてもらいたいと考えている場合が多数です。 そのため、相手の気持ちを理解しています、と共感を示すことで、相手の怒りを抑えることができます。

クレームの原因となる事実関係を調査する

顧客の意見を真摯に受け止め、問題発生の経緯を詳しく聞き出しましょう。どのような流れでどのような点に不満を感じたのか、メモを取りながら丁寧に確認します。

事実の経緯を確認する際は、5W1H(いつ・どこで・なにを・なぜ・どのように)を意識して詳細を聞き出します。具体的な事実関係を把握することで、自社のサービスなどの改善につなげることにも期待できます。

「恐れ入りますが」「誠に申し訳ございませんが」といったクッション言葉を使いながら、相手が話しやすい雰囲気を作るように心がけるといいでしょう。

非がない場合でも代替案を提示する

クレームの原因となった問題に対し、適切な解決策を提示しましょう。顧客との信頼関係を築くためには、誠意をもって対応することが不可欠です。相手の要望に添いつつ、法令や社会通念に反しない範囲で最適な解決策を提示します。

自社に不適切な点がない場合は、その理由を丁寧に説明し、理解していただけるよう努めます。その際は、相手に納得してもらいやすいよう専門用語を使わず、分かりやすい言葉で説明することが大切です。

対応の終了時には再度お詫びの言葉を伝える

問題が解決したあとも、顧客との関係を良好に保つ必要があります。そのため、改めて丁寧にお詫びの言葉を伝えるようにしましょう。

自社に非がなかったとしても、クレームが発生したということは会社への信頼度が下がっているということです。信頼を取り戻すためにも、真摯に謝罪しましょう。問題解決後も自社のサービスを利用していただけるよう、誠実な対応を心がけることが大切です。

正当性のないクレームには毅然とした態度で対応する

正当性のないクレームには、毅然とした態度で対応することが重要です。法令や契約にもとづき、自社の正当性を明確に伝えましょう。 感情的にならず、冷静かつ客観的な事実をもとに説明することで悪質な要求を阻止できます。

それでも、執拗に不平不満をぶつけてくる相手は悪質なクレーマーの可能性があり、カスタマーハラスメントと判断されることもあります。会社にとっては業務を妨害する人であり、顧客ではありません。

これ以上の営業妨害を阻止するためには、店外への退去や入店拒否、とくに過剰な場合には警察を呼ぶなどの対応をしなくてはなりません。

こちらの記事では、カスタマーハラスメントの基準について解説しています。クレームとの違いや対策も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

自社に非がない場合にしてはいけないNGクレーム対応

ここからは、自社に非がない場合にしてはいけない不適切なクレーム対応について見ていきましょう。

クレームを無視する

 

クレームをスルーすると顧客との信頼関係が失われ、企業のイメージが下がる原因となってしまいます。クレームを無視された顧客は、自分の意見が聞き入れられないと感じて強い不満を抱くことになります。

また、早期に解決すべき問題が放置されることで問題解決の機会を逃し、結果的に事態が深刻化する可能性もあります。同様のクレームを未然に防ぐことにもつながるため、無視せず丁重に対応しましょう。

クレームに対して感情的に反応する

クレームに対して、イライラしたり、怒りを表したりなどの感情的な反応は避けることが重要です。感情的になると、客観的な判断ができず冷静な対応が難しくなります。感情的な対応では、状況は悪くなるばかりで問題解決へ向かうことはできません。

冷静に、そして丁寧に対応することで、相手の怒りを抑える効果もあります。問題をスムーズに解決するためにも、冷静さを忘れないことが大切です。

相手の話を聞かずに即座に否定する

顧客に対し、相手の話を聞かずにすぐ否定することは避けましょう。「そんなはずはありません」などの相手に否定的な言葉を使うことで、相手は自分の話を聞いてもらえないと感じ、不満がさらに募ってしまいます。

また「それはあなたの勘違いです」などの決めつける言葉や、話を遮るといった行為にも注意が必要です。相手の話を最後まで聞き、否定することなく共感の意を示すことで、円滑な対応ができるようになります。

他者やシステムに責任転嫁する

顧客からのクレームに対し、自社の責任ではないとして他社やシステムに責任転嫁するのも避けましょう。責任をほかに押し付けているように捉えられてしまうため、問題解決の意欲がないとみなされてしまうからです。

責任転嫁は顧客に不信感を与え、企業のイメージを大きく損なう可能性があります。問題解決に向けて積極的に取り組む姿勢を見せることで、顧客から信頼してもらえるようになります。

相手の主張に対して個人的な攻撃をする

顧客の主張に対して、個人的な攻撃をすることはとくに避けましょう。相手の意見や考えを否定するだけでなく、人格を攻撃したり侮辱したりする言動は、顧客との関係を完全に破壊させます。

企業としての品位も欠落し、イメージを大きく損なうことにつながります。「あなたの考えは間違っています」などと否定することはせず、建設的な話し合いを進めるように努めることが必要です。そうすることで、顧客との信頼関係を維持できるでしょう。

クレームに対して過剰な約束をする

自社に非がなかったとしても、相手の不平不満に対して「必ず満足させます」「すぐに対応します」などの過剰な約束は避けなければなりません。なぜなら、約束が実現できなかった場合、顧客の不満をさらに大きくさせることにつながるからです。

できない約束をすることで企業の信頼性を失い、トラブルへと発展する可能性があります。顧客の気持ちに寄り添いながら、実現可能な範囲での解決策を提示することが重要といえます。

こちらの記事では、自社に非がある場合のクレーム対応について解説しています。やってはいけない行動や予防法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

【シチュエーション別】自社に非がない場合のクレーム対応のコツ

ここからは、電話・メール・手紙の3つのシチュエーション別に、自社に非がない場合のクレーム対応のコツについて解説します。それぞれのポイントを理解し、適切な対処ができるようにしていきましょう。

電話対応のコツ

 

電話での対応は相手の顔が見えないため、より丁寧な言葉遣いを選ぶ必要があります。まずは、冷静に相手の言い分に耳を傾け、最後まで話を聞くことが重要です。

相手は感情的になっている場合が多いため、振り回されないよう冷静に対応するのがポイントです。相手の感情に配慮し、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。 また、電話での会話は必ず記録に残し、今後のトラブル防止や同様のクレームへの対応に備えられるよう保管します。

メール対応のコツ

メールでのクレーム対応は、丁寧で分かりやすく内容を伝えることが重要です。具体的な事例やデータなどを提示して、相手の誤解を解くことができます。 また、電話のように長時間対応に追われることを回避できるうえ、やり取りの内容が客観的に残ることも、事業者側のメリットです。

ただし、自社に非がない場合のメール対応は、顧客の要望をお断りする内容となるため、電話と同様により丁寧な言葉遣いを心がけることが重要です。 顧客の要望内容にあわせて、期待に添えていない現状や不便な思いをさせていることについて謝罪をし、ご要望にお応えできない旨を丁重にお伝えします。

その際は、前述のとおり事実関係を具体的に明記したうえで、自社に非がないこともあわせて説明します。大げさな謝罪などの過剰な反応はせず、冷静に事実を受け止めて、かつ丁寧に対応するようにしましょう。

手紙対応のコツ

クレームを入れてくる顧客に対し「連絡が来なくなるようにすること」を最終目標にする場合、手紙で対応するのが適切といえます。 なぜなら、電話やメールは気軽にクレームを入れやすいツールであるため、対応するとすぐにクレーム相手から反論が返ってきてしまうからです。

書面での対応は、企業側の強い姿勢を表せます。そのため、執拗なクレームを繰り返す相手に対して強い警告をする場合などに効果的です。

文面内容はメールの場合とほぼ同じですが、送付方法には気をつける必要があります。郵送の際には、普通郵便ではなく特定記録郵便や内容証明郵便といった方法で送付します。

この送付方法を用いることで、相手に確実に届いているかを立証することが可能です。また、手紙での対応についても、感情的な表現は避けて冷静な文面を心がけましょう。

的確で質の高い顧客対応を身に着けるには、接客研修を受けるのも有効な手段です。

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まとめ

顧客からのクレーム対応は、店舗にとって大きな課題といえます。自社に非がないと感じられるケースでは、どのように対応すべきか迷うこともあるでしょう。 こちらに非がない場合でも、顧客が不快な思いをしたという事実を尊重し、丁寧な言葉遣いで接することが大切です。

適切な対応をすることで、顧客との良好な関係を築いていきましょう。顧客への対応力を身につけるには、接客研修を受けるのがおすすめです。 クリエイティブアルファでは、小売・飲食・サービス業の企業様やショッピングモールのテナント様向けに、さまざまな研修・サービスを提供しています。

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